それでは精液の中の御本尊、精子は如何なるものでしょうか?
遺伝子の本体そのものですが、驚くべき能力を有しています。
貴方の性の原点の精子を少し知っておくことも決して無駄ではありません。
概要
|DNA運搬体の精子
精液中の精子はご存じのように男性の遺伝子を女性の卵子に運ぶための運搬機です。
頭部にDNAとミトコンドリが詰まっていて鞭毛がくっついて
盛んに運動して子宮内の卵子を目指します。
精子の大きさは60マイクロメートルほどです。
1マイクロメートルは0.001ミリですから0.06ミリくらいの大きさということです。
人の細胞の半分以下の極めてコンパクトな細胞になります。
排卵日には卵細胞は卵胞として20ミリほどになっていますのでその差は歴然です。
これは卵子が受精後の分裂の為の栄養を蓄えているために
精子よりずっと大きくなるのですが、
精子は逆に余計な栄養分や脂肪はそぎ落として運動優先の体にしているために
最低限のエネルギーとDNAそして運動の為の鞭毛だけになっています。
卵子は大きく栄養を蓄えて機能性を持たず待ちの戦略をとり
精子は運動性に優れますが栄養分を余り保持せず、
女性体内でも4~5日しか生存できません。
精子は物量作戦で子孫を残そうとしますが、
卵子は精子の質を選ぶことで子孫繁栄を計ろうとします。
卵子は生涯排卵される数は400強と言われています。
これが男女の恋愛観の差になってきます。
精子の泳ぐスピードは時速2~3cmくらいで
卵子のある場所にたどり着くまで4時間くらいかかるそうです。
|精子の物量作戦
男性は兎に角、物量作戦でしか子孫を残すことはできません。
出来るだけ多くの精子を広く播くが雄の戦略です。
人類の男性が1日に精巣で作る精子の数は5000万 ~1億程と言われていて
生涯に作る総数は1兆~2兆レベルの天文学的な数字になります。
それが一端副睾丸に貯められて射精を待つのですが、
一回の射精では8000万~4億ほど放出が正常とされています。
精子は男性の体内では1週間ほど生きることが出来、
放出されない精子は体に吸収されてまた次の材料となっていきます。
従って最低でもセックスはしてなくても1週間に一度は射精することが
新鮮な精子を保ち生殖の準備しておくには必要です。
精子は男性から放出されて空気などに触れた状態では
数時間で死滅します。
|精子軍団
精子には全てが受精を目指す役割ではありません。
それぞれの受精の為の役割を持っています。
即ち、他の男性の精子を防御し殺す役割と女性の白血球に立ち向かう役割を
もったグループなどが受精役の精子と形成する組織軍団になっています。
精子たちは他の男性の精子と戦う為の機能と役割を持っているのです。
(参照:男の精子戦略)
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