人間の体の機能は正反対の作用を及ぼす交感神経と副交感神経によって
コントロールされています。
セックスもまたこの2つの神経系が大きく関わりセックスパフォマンスを
演出しています。
それぞれの解剖学的な見地から生理的なセックスにおける役割を見てみます。
概要
|人の神経
我々の神経は
- 中枢神経系
- 末梢神経系
に大きく分類されます。
|中枢神経
中枢神経系は
- 大脳皮質
- 脳幹と辺緑系
- 脊髄
に大雑把に分けられます。
辺縁系と脳幹は大脳皮質より進化的に古いので、しばしば古脳とも
下等哺乳類の脳ともよばれます。
大脳皮質は人の様々な活動や意識を統合管理していて、記憶中枢が計画や
思考・連想などを行っています。
その一部の前頭葉は時間軸も高度に組み立てて人としての意識を作り出しています。
大脳皮質は古い脳の生命を維持する役割である辺縁系と脳幹とともに
深く結びついて活動しています。
辺縁系と脳幹は意識や意思と関係なく心拍・呼吸・血圧を維持し
、痛み反応や気持ちの高ぶりや緊張を生み出しています。
オーガズムは脳の自律的な辺緑系に大きく支配されています。
恋愛は大脳皮質で主に相手への想いを生み出していますが、
本能的な好みや高鳴る動機などはこの古い脳が関わっています。
脊髄は、これらの脳神経系を体の各部と結びつけているとともに、
とっさの反射運動などのような情報判断を処理します。
また血圧、消化器系の活動、セックスのときの性器の反応にも
関与してます。
|末梢神経
末梢神経系は中枢神経系と皮膚・筋肉・臓器のあいだにあって、
両者を結んで大きく二つに分けられます。
- 体性神経
- 自律神経
です。
体性神経は
- 運動神経
- 感覚神経
に大きく分けられます。
そして自律神経は
- 交感神経系
- 副交感神経系
に分けられるのです。
|自律神経
自律神経は我々が意志でコントロール出来ない不随神経です。
心臓や血液循環、肺呼吸、内蔵の消化活動に関わりますが、かなり複雑な
機能になっています。
交感神経と副交感神経機能に分けられますが、単純に言えば双方は
片方がアクセルなら片方はブレーキといった全く正反対の役割を担い、
お互いの均衡を取りながら生命の維持を行っています。
|交感神経系
脊髄から出ていて、運動などの時に活性化する神経です。
運動をしている時、私たちは興奮している状態となります。
心臓の拍動数は早くなり、汗が分泌されます。
体を活発に活動させる時に働く神経が交感神経です。
交感神経は「闘争と逃走の神経」と呼ばれています。
闘争で相手と戦う時、体は緊張して心臓の鼓動は早くなり、血圧が上がります。
瞳孔は散大し、呼吸は激しくなります。
また敵から本気で逃げる時も体は興奮した状態となります。
交感神経を興奮させる神経伝達物質として、アドレナリンやノルアドレナリン、
コルチゾールがあります。
|副交感神経
副交感神経は交感神経の逆の働きをします。
交感神経は運動時などの興奮した時に活発となるのに対して、
副交感神経は体がゆったりとしている時に強く働きます。
例えば、食事中や睡眠中、休息中などに体を休めているときに活性化されるのが
神経が副交感神経です。
副交感神経は脳幹から出ているものと脊髄から出ているものがあります。
「安定感」や「やすらぎ」のようなはたらきに関与し、
アセチルコリンが主要な神経伝達物質になります。
迷走神経は副交感神経機能を有する脳神経で延髄から出て腹部まで達し
ボルチオーガズム(子宮オーガズム)にも深く関与すると思われる。
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