SMの快楽の源泉もドーパミン快感回路の激しい活性化によるものです。一度、M女として調教された女性は薬物依存症と同じく、次第に過激な刺激を求めて止みません。
概要
SM調教のメカニズム
生物は生命維持の機能として身体に損傷などが生じた場合、その危険を察知するために疼痛という信号で脳などの管理中枢にアラームを送るシステムを構築してきました。さらに生き物はその痛みや苦痛が長時間継続する場合、その痛みそのものを緩和する物質を、神経麻薬として生成する機能も作り上げてきました。
怪我などをおっての長時間の苦痛は生命と精神を破壊する恐れがあるからです。それがエンドルフィンやダイノルフィンなどの脳内麻薬物質です。身体は自らモルヒネのような鎮痛物質を作り出すのです。
脳内麻薬はドーパミン神経も活性化
エンドルフィンやダイノルフィンは痛みを抑えますが、また大量のドーパミン分泌を促進します。脳内に分泌されたドーパミンは恍惚感と多幸感を演出します。人に快楽の感覚をもたらします。
継続的もしくは定期的な痛みや苦痛を与えられることで、人は脳内麻薬の分泌を強化してその苦痛に対抗しようとします。するとドーパミンの分泌も増量されて快楽は大きくなっていきます。
SMの快楽もドーパミン快感回路作用
この仕組みはSMセックスでも同じように起こります。M女は苦痛を与えられことによって脳内麻薬であるエンドルフィン・ダイノルフィンを分泌していきます。その分泌量は刺激の時間と回数に比例をしていきます。
最初は痛みと恐怖でしかなかった感覚が刺激の増加とともに、脳内麻薬の分泌を増やしていき、やがて大量のドーパミン照射となり、最初の軽度の快感が、オーガズムの強い快楽へと変わっていくのです。
定期的に長時間、縛りや殴打などの苦痛の刺激を与えられ続けることで、女性は快楽を感じる体に変化していきます。人間は痛みと快楽は同時に感じることが出来ます。苦痛に伴う快楽は記憶されてドーパミン神経は強化され、次第に肉体の快楽として渇望感がましていきます。
また女性ホルモンであるエストロゲンは相手を受け入れることに対して、喜びを与える物質でもあります。エストロゲン濃度の強い女性は、相手に従い、虐げられ、蹂躙されることが喜びの一つになります。
(男性ホルモンのテストステロンは攻撃性を有するホルモンです)
女性は肉体的精神的苦痛に伴う快楽の依存症になり、M女として完全調教されるのです。
ロウソクや縄、鞭などが快楽へのトリガー(引き金)にもなっていきます。やがて女性はご主人様なしでは生きていけなくないM女となっていくのです。そしてご主人様そのものもトリガーになっていきます。女性はその声を聞いただけで濡れ、姿を見ただけで恍惚感に浸ります。
SM快感のメカニズは、中毒症のメカニズと同じです。SM調教はその仕組を巧みに取り入れて、性の別の快楽領域を作り出しています。SM調教については、性典の別の巻で、改めて取り上げていきます。