勃起とはペニスに血液が性的な刺激受けることによって大量に流れ込み、
ペニスにそのまま留まることによってカチカチに固くなる現象です。
勃起すると長さ・太さともに1.5~2倍程度に大きくなり、
体積比では数倍にも膨れ上がります。
これによって女性の膣内へのペニスの挿入が可能となり子宮に近い膣内に射精し、
自らの精子を膣奥に送り込んでより高い確率で自己の遺伝子を後世に残します。
(参照:ペニスの構造)
概要
|中枢性勃起と反射性勃起
勃起にはその原因から2種類あると考えられています。
一つは女性の裸を見たりすることによる視覚的な興奮、
またはエロティックな想像による精神的な興奮によって
大脳皮質から勃起中枢へ指令が送られておこる中枢性勃起です。
大脳皮質は理性や感性、空想、妄想、想像などをコントロールしています。
もう一つは、ペニス・直腸などへの物理的刺激によって反射的に勃起中枢が
活性化するもので、これを反射性勃起と呼ばれるものです。
反射性勃起は性的な興奮は必要としないのが特徴です。
反射性の勃起は物理的な刺激が失せると急速に勃起は終了しますが、
中枢性勃起は大脳の性的な興奮が続く限り勃起が維持されます。
強く持続性のある勃起力を維持するためにはペニスへの物理的な刺激である
反射性の興奮だけでは不十分であり、
中枢性勃起も必要不可欠です。
心から相手にエロチシズムと愛を感じていることが大切です。
風俗のお姉さんが一生懸命ペニスをこすってくれたり舐めたりしてくれても
立つことはたっても勃起が長続きしないのはこの為です。
|朝だち現象
もうひとつ朝立ち勃起現象があります。
人間はレム睡眠とノンレム睡眠を睡眠時に90分周期で繰り返していますが、
レム睡眠時にペニスは勃起します。
夢は浅い眠りのレム睡眠時に見るとされています。
レム睡眠は副交感神経が支配しています。
実は夜中に男性はレム睡眠時にその都度4~5回は勃起しています。
寝ている間は気付いていないだけです。
朝になって目覚めの時がレム睡眠にちょうどあたり
多くは勃起しているので朝立ちとして認識します。
朝立ちは決して膀胱に尿が溜まって起こる現象ではありません。
朝立ちと尿意が重なっているだけの現象です。
従って勃起には3種あると考えた方がいいかもしれません。
- 中枢性勃起
- 反射性勃起
- レム睡眠勃起
です。
|勃起のメカニズム
|一酸化窒素の分泌
勃起は性的な刺激や興奮で勃起中枢が刺激されると
ペニスの内部に一酸化窒素(NO)が分泌されます。
NOはペニスの血管膨張剤(サイクリックGMP)を増加させる効果があります。
同時に海綿体を囲む平滑筋が緩んで海綿体空間を広げます。
すると陰茎動脈から陰茎海綿体に大量の血液が流れ込みます。
それによる海綿体の極度膨張とともに陰茎背面静脈が圧迫されて
血液が流出され難くなり勃起状態が維持されます。
|ガチガチになるペニス上部
ペニス上部の陰茎海綿体の空間は血液で満たされて膨張しますが、
周りを白膜という固い膜で覆われているため、
それ以上膨張することはできず、血液の圧力でカチカチに固くなります。
極度に勃起したペニスが心臓の鼓動に合わせてピクピクと
上下したりするのはそのためです。
このようなガチガチのペニスが理想です。
|ペニス下部は柔軟勃起
尿道海綿体にも血液は同じく流れ込みますが、
白膜が薄いために勃起の硬度は陰茎海綿体よりひくく、
知っての通りペニスの下部の陰茎海綿体ほどガチガチにならず
柔軟性をある程度保ちます。
射精時には収縮して精液を力強くおしだします。
射精によって性的意欲が弱まると、血管膨張剤を分解する酵素が分泌されて
血管が緩み動脈からの血液流入が減り、
圧迫されていた静脈も開放されて血液が流出し、勃起が終わります。
|勃起における一酸化窒素の役割とバイアグラ
一酸化窒素 (NO) は血流を良くするために血管の細胞から
分泌される物質です。
血管をしなやかにしたり、拡張させたりする作用のある物質で、
動脈硬化 (血管が硬くなる症状) を防止する物質でもあります。
この一酸化窒素 (NO) はペニス付近の血管の拡張にも関わっていますが、
運動によって血行促進に努めて一酸化窒素を分泌しやすい体質を
作ることが出来ます。
(参照:ペニストレーニング下半身強化)
話題のバイアグラは血管膨張剤の分解酵素の分泌を阻害する作用があり
これによって勃起力を高めることができます。
|勃起は副交感神経に支配される
勃起現象は副交感神経系が支配しています。
副交感神経はリラックスしている時に働く神経ですが、
セックスの際は血管を緩めて血液をペニスに流し込みやすくし、
勃起できる条件を整えることが大切になります。
一方交感神経が優位な時は緊張して血管を縮小します。
ストレスや緊張しているとなかなか勃起できないのはそのためです。
勃起という現象は血液の流量増大と静脈の閉塞という2つが
巧妙に作用して成り立っている現象です。
かなりセンシテイブな仕組みで男性も思うがままにならないこともしばしばです。
特に緊張やストレスは大敵ですので出来る限り日ごろから
副交感神経が優位な生活を心がけることが大切です。
(参照:コルチゾール(性欲を抑え勃起を抑制する) アドレナリン)
(参照:交感神経と副交感神経)
因みに女性のクリトリスも発生学的には陰茎海綿体と同根ですので
勃起現象も朝立ちも同じように起こります。
じっくり観察してみると興味深い現象を発見できます。
(参照:ペニスとクリトリス)
|勃起現象のまとめ
- 勃起はバギナ奥へペニスを挿入し、子宮近くに射精するために起こる現象
- 勃起には脳で起こる中枢性勃起とペニス刺激で起こる反射性勃起、朝立ち勃起がある
- 勃起は一酸化窒素が性的な刺激で分泌され、一酸化窒素が血管拡張剤を増加させおこる
- 拡張した血管に血液が流れ込み、膨張した組織で静脈が圧迫されて血液を閉じ込める
- 海綿体組織では白膜が壁となってペニスの張りを保つ
- ペニス上部の陰茎海綿体はガチガチに勃起する
- ペニス下部の尿道海綿体は射精の為により柔軟な勃起となる
- 勃起の解消は血管拡張剤分解酵素が分泌されて萎える
- バイアグラは血管拡張剤の分解を阻止することで勃起を維持させる
- 勃起はリラックス神経の副交感神経に支配される
- ストレスや緊張下では交感神経が活性化されて勃起を阻止する
- 女性のクリトリスも勃起し朝立ちする
(NEXT:射精のメカニズム)