人間の生理現象は交感神経と副交感神経はお互い引っ張り合いで
均衡を保っています。
ある時は交感神経が優位になり、
またある状態では副交感神経が活性化されます。
お互いの役割は正反対です。
一方が特定の生理現象を促進し、一方は抑えるといった感じです。
セックスにおいても交感神経と副交感神経はその役割は複雑に絡み合って
生殖行為に関わっています。
その仕組みを理解しておくことで
ワンランク上のセックスが演出できます。
(参照:交感神経と副交感神経)
|勃起と射精と神経興奮
勃起は副交感神経が強く関与しています。
勃起は海綿体神経に刺激が伝達されと、
副交感神経の末端からアセチルコリンが分泌されます。
アセチルコリンはNO合成酵素を活性化し,
NO(一酸化窒素)が遊離されます。
NOは海綿体内の血管平滑筋を弛緩させ、動脈が弛緩拡張し、
海綿体への血液を一気に送り込みます。
血流が増加すると海綿体は血液を吸って膨張し、海綿体は静脈を圧迫し、
海綿体から血液が流れ出ることを防ぎます。
こうして海綿体には血液が蓄積し、ペニスは固く勃起します。
逆に交感神経が活性化された緊張状態ですとアセチルコリンが
分泌されず、勃起不全に至ります。
勃起には寛いだ状態が大切です。
(参照:勃起とは?)
興奮が進んで射精段階まで神経が興奮してきますと
一気に交感神経の興奮が起こり、主役が逆転します。
射精は交感神経主導でおこります。
その際、アドレナリンやドーパミンが一気に分泌されて興奮状態は
最高潮に達し、強い快感を引き起こします。
射精が起こるとバソプレッシンの分泌も伴い、やがてまた副交感神経と交感神経が
平衡状態になりなってペニスは萎えて安らいだ状態に至ります。
セックスの体位として正常位・後背位は交感神経が優位になりやすく
射精が起こりやすといわれ、女性の騎乗位は副交感神経が優位になって
射精が起こりにくいとされています。
女性のオーガズムと神経興奮
女性のオーガズムもほぼ同じ過程を辿ります。
即ち、セックスの開始時は、安心、くつろいだ状態で副交感神経が優位に
働いて、愛液の分泌や性感が刺激されて興奮状態に至ります。
オーガズム時には副交感神経が優位なプラトー状態から一気に
交感神経が優位な興奮絶頂状態にいたり、アドレナリン、ドーパミンによって
強い快感を引き起こします。
この時、女性は愛情ホルモンのオキシトシンも分泌されてゆき、
オーガズムによる子宮頸部や子宮の収縮を起こします。
オーガズムが数十秒間続き次に副交感神経が優位な幸福感と
愛情に満ちた状態に戻ります。
男性と違って、女性の興奮状態は急に覚めることなく
副交感神経が優位なプラトー状態から、再度の刺激によって
再度交感神経優位な興奮状態オーガズムに至ることが可能です。
プラトー(高原)状態から幾度となくオーガズムを迎えることが
可能であり、マルチオーガズムにいたります。
(参照:プラトーセックス)
セックスで充実した快楽を楽しむためには副交感神経を優位な状態、
リラックスした状態で快感のうねりの波に漂って、充分心地よさを味わった後に
お互い性気を交換し合い、波動を同調させて性的な幸福感を体現します。
そして一気に交感神経優位な快楽の絶頂即ちオーガズムを迎える
喜びがその真髄です。
是非、迷走神経とオーガズムをご覧ください。
オーガズムと副交感神経の秘密が記述されています。