（スポンサーリンク）
概要
｜反射性勃起と中枢性勃起
また勃起には刺激の種類から２つのタイプがあることが知られています。
一つはペニスなどへの直接の物理的に刺激による勃起です。
これは刺激がペニスの感覚器から脊髄に伝わって反射的に起こる勃起です。
もう一つは視覚・聴覚・味覚・臭覚・想像などの性的な信号が
脳の視床下部から伝えられる興奮で起こる中枢性勃起です。
反射性勃起はペニスへの物理的な刺激が終わることで急速に終了しますが、
中枢性勃起は脳が興奮する限り継続します。
強度で継続的な勃起にはペニスへの物理的刺激と大脳の興奮刺激が
強烈でバランスよいことが必要になります。
（参照：反射性勃起と中枢性勃起）
｜エレクションメカニズム
|勃起を増進する援軍神経
男性の勃起現象（election）は自律神経によって司られています。
性的な刺激を受けて興奮が生じると勃起が起こるのですが、
その作用には交感神経、副交感神経に加えてもう一つの神経系が知られてます。
いわば人において最大課題の生殖機能を高めるためのプラスの機能です。
といういうよりむしろ勃起において主役的に働く神経となります。
アドレナリン・コリン作動性神経でもない一酸化窒素作動性神経（NO作動性神経）
と言われるものです。
アドレナリン作動性神経（交感神経）は収縮、つまりペニスの萎縮に、
コリン作動性神経（副交感神経）とNO作動神経性神経はペニスの血管と
陰茎海綿体を弛緩させ、勃起に導きます。
｜NOによる勃起の促進
勃起現象はNO（一酸化窒素）が神経伝達物質としてペニスの血管及び海綿体で
役割を果たします。
NOは生体内のNO産生細胞でNO合成酵素（NOS)によって
L-アルギニンから生成されます。
生成されたNOはグアニル酸シクラーゼという酵素を活性化し、
サイクリックGMPを生成します。
サイクッリクGMPは細胞内のカルシウムイオンのレベルを低下させ、
このカルシウムイオン濃度が低下すると陰茎における動脈や海綿体組織の平滑筋細胞は
弛緩します。
弛緩することで血液が大量に流入し、勃起が起きます。
NOS→（Lーアルギニン）→NO→サイクリックGMP→
Caイオン低下→勃起
NO作動性神経は副交感神経である骨盤神経に続く海綿体神経に含まれています。
性的な刺激が陰茎に伝達されると一次的にNO作動性神経が活動して
上記のプロセスのNO作動性神経による勃起が起こります。
勃起改善サプリメントでアルギニンが注目されているのは上記のサイクルで
主役的な存在であるためです。
｜副交感神経（コリン作動性神経）による勃起
また副交感神経（コリン作動性神経）は活性化された優位な状態で
陰茎の海綿体内皮や動脈内皮において神経終末でアセチルコリンを遊離します。
分離したアセチルコリンはNOSを活性化して
上記サイクルの流れによってNOを生成して陰茎海綿体や陰茎動脈を弛緩し
血流の増加を促します。
この副交感神経の働きによる血管海綿体弛緩、
そしてそれに続くペニスの勃起は２次的な反応であり
持続性に関わると理解されています。
この継続的な勃起の維持には適度な酸素分圧が必要不可欠と報告されています。
ペニスの勃起が続くにはリラックス状態で充分な酸素が必要ということになります。
｜勃起の中断
勃起の中断（中折れは）は性的な刺激の不足や交感神経が優位状態になることで
勃起した陰茎や動脈の締めている平滑筋が緩んで、
海綿体内の血液が外部に流出して起こります。
｜性的な刺激の不足による中折れ
性的な刺激は物理的にペニスに加えられる刺激と脳による感覚的な興奮があります。
勃起が継続するには
ペニスには適切な手やフェラチオなどによる愛撫や膣への挿入による快感が
継続する必要があります。
陰茎海綿体の平滑筋細胞には、ホスホジエステラーゼ・タイプ5（PDE-5）という
勃起を誘導するサイクリニックGMPの分解酵素が常駐しています。
この酵素は刺激がない限りサイクリニックGMPを分解して
ペニスの勃起を終了させて平常に戻すように働きます。
従って性的な刺激が継続しない状況ではペニスは萎縮するように出来ています。
（＊シアリス、バイアグラ、レビトラといったED治療薬はこの分解酵素PDE-5の
働きを阻害する薬剤です）
また視覚や聴覚、接触による性的な興奮も重要です。
女性の喘ぎ声や姿態などによる刺激はテストステロンやドーパミン値を高めて
勃起をさらに促進してくれます。
しかし、余り興奮しすぎることで一気に射精に向かいますので
時間をかけたセックスを楽しむには
冷静に興奮する
ことが大切です。
｜過度の興奮による中折れ
勃起の中断（中折れ）は交感神経が途中優位になってしまうことでも起こります。
１次的にNO作動性神経の活性によて勃起は取りあえず起こっても
充分リラックス状態でない場合などでは勃起は継続せず、
陰茎動脈が収縮して勃起が中断されます。
中折れは始めてその女性とエッチするときや憧れの美人などとのセックスで
気後れして自分が精神的に優位でないときなどよく見られる現象です。
気持ちばかり先行して焦った状態です。
この場合は勃起自体起こらないこともあります。
（参照：中折れ）
また勃起の中断・中折れは男性ホルモンのテストステロンが十分でない場合もおこります。
中年男性によくみられる現象です。
