これまで女性のオーガズムについて神経の働き、ホルモンの分泌、
精神的な作用を見てきましたが、
その大きな流れをここで一度整理すると共に
どうしても男性が知っていくべき要点を加えて行きます。
細かい性的なテクニックに終始する前に女性のオーガズムを大きな流れで捉えてください。
我々男性の射精に伴うオーガズムとは女性の快感メカニズは
大きく違っていることを認識する必要があります。
オーガズムの流れ
女性が上質なオーガズムを感じるためには、
根本的に男性とは大きく違う行程を経る必要があります。
男性の一般的なオーガズムの流れは
のような極めて単純システムです。
ここにはあまり精神的な要素を見ることは出来ません。
多くの場合、よほど大きな精神的なストレス、もしくは生命的な危機がない限り
性的な刺激でオーガズムを向かえることが可能です。
男性は視覚的であれ肉体的であれ性的な刺激を受けることで
勃起し興奮し快感を感じて射精します。
大きな精神的なストレスが存在しない状況下では反射的な反応として現れます。
一方、女性のオーガズムは男性のオーガズムプロセスに比較し、
大きく精神面と生理面が加わってきます。
この女性のセックスにおける精神性は、
我々、男性にとっては極めて理解が困難な部分でもあります。
何故なら我々男性は女子の体内で射精することが優先本能として設計され、
セックスという行為を精子の放出という極めて生理的な現象として認知しているからです。
簡単に言えば、大量生産される精子を如何に多く素早くバラ撒くかが
男性の最重要課題になります。
男性にとってのセックスはむしろ一種の食欲や排泄等と同類の生理現象であり
女性のセックスにおける精神面は想像するに及びもつかない領域となっているからです。
女性のオーガズムの仕組みの理解
それ故に多くの男性はセックスに及ぶに当たり、
女性の精神性や生理的複雑性の要素を配慮して
求愛や愛撫行動を取ることは得意ではありません。
女性は男性と同じように性的な刺激で反射的に性感を覚え、
クリトリスや膣の愛撫、ペニスの挿入で
オーガズムに直結するものと信じ込んでいます。
確かに一部の性感の感覚神経が敏感な女性の膣やクリトリスは
機械的な感覚刺激で急激に快感を発生させ、オーガズムに至りますが、
多くの女性の殆どは男性のその一方的な機械的な愛撫とペニスの挿入運動に
心からの快感を覚えるはことなく多くの場合、真のオーガズムに至ることはありません。
多くの男性はAVのセックスシーンやセックスのマニュアル書をそのまま実行することに
没頭しています。
その行為は独りよがりな自分の快楽のためのセックスであり、
女性にとっては充分な快感をもたらしてはいないことに気づくことなく女性を抱いています。
悪魔は憂いています。
多くの女性がオーガズムの不毛に涙して魔界に向けて叫んでいます。
世の男性たちがどうかこの女性の性の基本的な仕組みと感情を理解されんことを
願います。
女性は心と身体でオーガズムを向かえますが、精神的な安定が優先します。
女性が求め願うオーガズムは身体と心の奥深くから湧き上がる至高の絶頂感です。
クリトリスオーガズムとは一線画す異次元のオーガズムです。
クリトリスオーガズムは女性の生殖行動を催促するための機械的で表面的なオーガズムであり
反射的です。
急激で鋭い快感ですが、一過性的な感覚です。
それに比べバギナオーガズムやポルチオオーガズムは
体の芯部から脳に響き渡り、際限なく続く快感です。
クリトリスはセックスへ向かう発火装置として機能しています。
クリトリスオーガズムは男性の射精オーガズムと同質なもので、
体性神経の条件反射的な生体反応です。
神の与えし真のオーガズムは女性への生殖の難儀に与えし報酬であり、神秘の啓示へと繋がるものです。
生殖器の奥深くから湧き上がり、脳の精神領域と連結されし時に初めて発現する異次元の快感です。
女性のみが感受出来る神の快楽ですが、その真のオーガズムへの到達には男性の手助けが必要になります。
その女体現象の現実を踏まえて、
大人男性としての正当なる性術を習得するのが我々の大人の男子の役目でもあります。
(次ページに続く)